【2021/2/17】星野源さんの「創造」をマリオ・任天堂ファン視点で聴いて
1.マリオ・任天堂愛にあふれた1曲
2021年2月17日に配信開始された星野源さんの最新曲「創造」。「スーパーマリオブラザーズ35周年」のテーマソングでTVCMなどでもおなじみの曲です。
この記事では「創造」についてマリオシリーズ、および任天堂のファンの視点から聴いた感想や各種元ネタ?を紹介していきます。
「創造」ミュージックビデオ
注:以下の文章において、「0:00」などの秒数はミュージックビデオでの秒数となります。曲そのものの秒数ではありませんのでご了承ください
2.マリオシリーズのあのメロディ
この「創造」にはマリオシリーズに関係したBGMや効果音のメロディが入っています。そのチョイスが絶妙で素晴らしい。
ゲームキューブ起動音
「ニンテンドーゲームキューブ」は2001年に発売された家庭用据え置きゲーム機で、その起動音のメロディが0:34などで使用されています。任天堂ハードの起動音の中でも特に印象に残りやすいメロディです
ゲームキューブ起動音(一番最初のもの)
ミス(ドンキーコング)
0:58にはマリオのデビュー作『ドンキーコング』のミス音のメロディが使用されています。その後に来る「僕は生まれ変わった 幾度目の始まりは」というミスからのコンティニューを想起させられる歌詞もいいですね
『ドンキーコング』より「ミス」
パワーアップ(スーパーマリオブラザーズ)
サビに入る前の1:32には『スーパーマリオブラザーズ』から使われているおなじみのパワーアップ音が使用されています。オリジナルとほぼ同じ音になっています
『スーパーマリオブラザーズ』より「パワーアップ」
ミス(スーパーマリオランド)
1番のサビの後の2:05には『スーパーマリオランド』のミス音のメロディが使われています。
こちらも前述の『ドンキーコング』のミス音と同様に「死の淵から帰った」というミスからのリトライを想起させる歌詞につながっています。星野さん自身一度病気で倒れたことがあったらしく、そのことを考えると後に続く「生かされたこの意味は命と共に遊ぶことにある」とともに非常に考えさせられる歌詞だなと感じました
『スーパーマリオランド』より「ミス」
地上BGM(スーパーマリオブラザーズ)
2:11にはマリオについて詳しく知らない方でも1度は聴いたことがある方が多いであろう『スーパーマリオブラザーズ』の「地上BGM」のフレーズが使用されています
『スーパーマリオブラザーズ』より「地上BGM」
メインBGM#1(スーパーマリオランド)
2:16には『スーパーマリオランド』の「メインBGM#1」のフレーズが使われています。ファンの間では人気のある曲ですが、公式からプッシュされる機会はあまり多くないのでやっぱり嬉しいです。ちなみにこの曲は星野さん自身も好きな曲なのだとか…。
『スーパーマリオランド』より「メインBGM#1」
コースクリアファンファーレ(スーパーマリオブラザーズ3)
2番のサビに入る前の2:36には『スーパーマリオブラザーズ3』のコースクリア時のファンファーレのメロディが使われています。『3』のものを選ぶチョイス好きです
『スーパーマリオブラザーズ3』より「コースクリアファンファーレ」
レインボーロード(マリオカートWii)
2番のサビの後の2:58からは『マリオカートWii』の「レインボーロード」のメロディが使われています。最終コースであるレインボーロードのメロディが曲の終盤で使われるのもなかなかニクイ。
何より自分がマリオシリーズに限らずすべてのゲームBGMの中で一番好きな曲なので使っていただけたことに喜びを感じるとともに非常に感謝しています
3.歌詞から感じ取れる任天堂愛
歌詞にはマリオシリーズに限らず任天堂に関係するワードや任天堂を想起させるワードもたくさん出てきます。その中から一部をチョイス
非常識の提案
2015年まで任天堂の社長だった岩田聡元社長の決算説明会でのお言葉から来ているものと思われます。「非常識の提案」はこれまで何度も非常識を新常識にしてきた任天堂らしい言葉だと思います
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誰もいない場所から 直接に
任天堂が今後発売を予定しているゲームの情報を「直接」紹介する映像コンテンツ「NintendoDirect」から由来するものと思われます。
ミュージックビデオでは星野さんが両手を突き出すいわゆる「直接!」ポーズを披露。これは2016年頃まで(一部回では以降も披露)岩田元社長をはじめとしたプレゼンターが冒頭で行っていました
岩田元社長の「直接!」ポーズ
独(いち)を創り出そうぜ
任天堂が最も大切にしてきた「独創」の精神から来ているものと思われます。先陣を切って新しいものを生み出し続けてきた任天堂ならではの精神だと思います
「独創」の精神に関する社長からのメッセージ
色褪せぬ遊びを繰り返して
『スーパーマリオ』シリーズや『ゼルダの伝説』シリーズなど、長い歴史のある作品も多い任天堂。時代に合わせて変化しつつも変わらぬ魅力のある作品の数々はまさに「色褪せぬ遊び」だと思います
繰り返し愛される「色褪せぬ遊び」
配られた花 手札を握り
任天堂の原点とも言える「花札」から来ているものと思われます。もしかするとこの花札もまた「色褪せぬ遊び」の1つなのかもしれないですね
枯枝咲いた場所から手を振る普通と バタつく未来を水平に見た考案
ゲーム&ウオッチやゲームボーイなど、任天堂のさまざまな作品の開発に携わってきた横井軍平さん独自の哲学「枯れた技術の水平思考」から来たものと思われます
すでに広く使われた技術(枯れた技術)を今までとは違った見方をして活用する(水平思考)というこの哲学は後の任天堂作品にも多くの影響を与えました
横井軍平さんが開発に携わった「ゲーム&ウオッチ」
4.あとがき
TVCMで聴いていた時にも「いい曲だなぁ」とは思っていましたが、いざフルバージョンを聴いてみるとマリオシリーズや任天堂に対するリスペクトが想像以上で驚きました。マリオファン・任天堂ファンにもぜひ聴いてほしい1曲です